骨粗しょう症治療
骨粗しょう症治療
加齢や薬の副作用、甲状腺疾患、糖尿病、腎機能障害、慢性閉塞性肺疾患などによって骨密度が低下する病気を「骨粗しょう症(こつそしょうしょう)」といいます。
症状がなくても、骨粗しょう症になっている人は多いです。骨粗しょう症により骨がもろくなると、転んで手や肘をついた、尻餅をついた、くしゃみをした、などのわずかな衝撃で骨折してしまうことがあります。そして一旦骨折が生じると、2つ目、3つ目とドミノ倒しのように続けて骨折していくことがあるため、早期に治療を開始します。
女性ホルモンの低下とかかわりが深いため、40代以降の女性では早めの骨密度検査をお勧めします。
骨粗しょう症の治療の目的は骨密度の低下を抑え、骨折を防ぐことにあります。食事療法、運動療法、薬物療法を並行して行い、骨密度を高めましょう。
このようなお悩みや症状がある方はご相談ください
腰痛で受診した際に、骨粗しょう症と診断されることも少なくありません。
また、骨粗しょう症になっても、痛みがない場合があります。
骨粗しょう症は、元気なうちから徐々に進行していくため、自覚症状がなくても、予防と早期発見に努めていく必要があります。
①問診
骨粗しょう症に関する質問があります。
気になっている症状に関すること以外にも、閉経時期や骨折歴、食事や運動、生活習慣に関することなどをお伺いします。
②骨密度検査
骨密度は、骨の強さを判定するための指標で、骨密度検査では骨の中にカルシウムなどのミネラルがどの程度あるかを測定します。
当クリニックではDXA法で骨密度測定を行います。DXA法はもっとも広く使われている骨密度測定法であり、2種類のX線で骨密度を測定します。骨粗しょう症の診断基準では原則として、この検査法で腰椎および大腿骨を測定することとなっています。簡単に測定ができるので、難しい検査ではありません。
③レントゲン検査
主に背骨のX線写真を撮り、骨折や変形の有無、骨がスカスカになっていないかなどを確認します。
骨粗しょう症と他の病気を区別するためにも必要な検査です。
④血液・尿検査
骨代謝マーカーという検査で、骨の新陳代謝の速度を知ることができます。
骨粗しょう症の治療は、骨密度の低下を抑え骨折を防ぐ目的があります。
骨粗鬆症は、食事や運動などの長年の習慣も深く関わっています。
そのため、薬物治療とともに食事療法や運動療法も並行して行い、骨強度を高めていくことが大切です。
①食事療法
骨を作る材料となる「カルシウム」、カルシウムの吸収を促進する「ビタミンD」、骨の生成に重要な「ビタミンK」などを摂取する必要があります。
「カルシウム」は、1日に700〜800mg摂取することが必要で、牛乳であればコップ3.5杯(1杯に約220mgのカルシウムが含有)が必要とされています。その他カルシウムを多く含む食材は、チーズ、しらす、干しエビ、昆布、大豆などがあります。
「ビタミンD」は、1日に8.5〜100μg(340〜4000IU)摂取することが目標です。ビタミンDは、日光を浴びると体内で生成されます。季節や住んでいる地域の緯度によって変わりますが、おおよそ15〜30分ほど(冬季には1時間という文献もあります)日光に当たると、1日に必要な量のビタミンDが生成されるといわれています。その他食物やサプリメントでも補給することが可能で、サケ(1切れ100gに20-40μg含有)、イワシなどの魚類、まいたけ、しいたけなどのキノコ類などに多く含まれています。
「ビタミンK」は、1日に250〜300μg摂取することが目標で、納豆1パック(50g)に約300μg含まれています。その他ビタミンKを多く含む食材には、ほうれん草、小松菜などが挙げられます。ただし、ワーファリン服用者はビタミンKを多く含む食物は摂取できませんので注意が必要です。
②運動療法
運動で身体に負担をかけることで、骨は徐々に丈夫になっていきます。
また、筋肉を鍛えることで身体を支える機能が上がるため、転倒の防止にもなります。
激しい運動は必要ないので、ウォーキングやヨガなどの軽度〜中程度の運動が効果的です。
③薬物療法
骨粗しょう症の治療は大きく2つに分類されています。
骨粗しょう症の重症度や患者さんの状態によって注射や内服薬を使い分けますので、医師にご相談ください。
ご自身やご家族の方が骨粗しょう症の症状(背中や腰の曲がりや痛み、身長の縮み)が気になる場合は、一度当クリニックまでご相談ください。
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