脊椎圧迫骨折
脊椎圧迫骨折
脊椎圧迫骨折(せきついあっぱくこっせつ)は、背骨が上下の圧力により潰れるようにして生じる骨折です。特に胸椎(胸の背骨)や腰椎(腰の背骨)でよく見られます。若い方に大きな外力で骨折が起こることもありますが、ここでは、骨粗しょう症(骨がもろくなっている状態)の方に軽微な外力で起こる骨折について説明します。脊椎圧迫骨折は、女性では、60歳代で7人に1人に発生しており、70歳代では、実に5人に1人に発生しています。尻餅をつくなどの外力で折れることが多いですが、中腰や重いものを持つだけでも折れてしまうことがあります。「いつの間にか骨折」といわれるように折れていることに気づいていない場合もあります。近々起こった圧迫骨折は、レントゲン検査で診断されることもありますが、CTやMRIで診断が確定することが多いです。脊椎圧迫骨折が生じた時点で骨粗しょう症の診断となりますので、骨粗しょう症の治療も並行して行います。骨粗しょう症の治療を行わないと1年以内に新しい圧迫骨折が起きてしまう確率が5倍以上高くなってしまいますので、必ず行います。
安静加療
痛みを軽減させる目的や骨折した椎骨の変形を進行させないようにする目的で、病院に入院してベッド上で2週間安静にしてから、立つ練習や歩く練習を開始する方法があります。
装具療法
背中や腰をサポートするためにコルセットを使用することがあります。
薬物療法
痛みを和らげるために鎮痛薬を使用します。
骨粗しょう症治療
もし骨粗しょう症の治療をしていなければ、なるべく早く骨粗しょう症の治療薬も開始します。また骨粗しょう症の治療がすでに行われている場合には、治療薬を変更することを検討します。
理学療法
筋力強化や柔軟性を高める運動や骨密度を高める運動を行い、再発を防ぎます。
骨セメント注入(経皮的椎体形成術)
骨折部位に骨セメントを注入し、椎骨の変形の進行を抑えると同時に痛みを和らげます。
脊椎固定術
骨セメント注入のみでは対応しきれない骨折や神経痛や筋力低下などが生じている場合には固定術が追加されることもあります。
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